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 2012-09- 

第136回研究例会のお知らせ 

9月9日(日)、第136回研究例会を下記の日程にて開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

日 時: 9月9日(日) 13:00~17:00
場 所: 立命館大学衣笠キャンパス 洋々館3F 962教室
参加費: 無料

***** 題目・要旨*****

「政岡の型 —片はずし—について」
     立命館大学大学院博士後期課程2回生 二俣希
『伽羅先代萩』をはじめとする伊達騒動物に登場する人物において、政岡は一際目を引く存在である。数ある女形の役の中でも最難関の役として知られ、多くの先人たちによって、演出、拵え等が工夫されてきた。本発表においては、政岡の型、特に方はずしと呼ばれる髪型に着目し、この髪型がいつ頃から政岡の拵えに取り入れられるようになったのかについて、文化的背景と絡めながら考察していく。 


「芥川龍之介「蜜柑」論―表現を中心に―」
     立命館大学大学院博士前期課程1回生 新見惇平
 芥川龍之介の「蜜柑」は、1919年(大正8)年5月の「新潮」に「私の出遭つた事」の総題で発表された。
 作品において、主人公である「私」の「云ひやうのない疲労と倦怠」をはじめとする暗い心情が、作中の「駅」や、「汽車」、「隧道」などの空間に反映されている。一方、汽車の窓に舞う〈蜜柑の乱落〉の風景は非常に鮮やかな色彩表現によって描出されている。
 今回の発表では、作中の色遣いや場面展開の手法に着目し、それらの表現が作品の〈一瞬〉というテーマにどのように機能しているか言及したい。


「中野重治「小説の書けぬ小説家」論――転向文学のある一段階――」
     立命館大学大学院博士前期課程1回生 萬田慶太
転向文学五部作の一つとされる「小説の書けぬ小説家」は、中野重治の転向文学のある段階に属し、当時日中戦争下において状況が切迫していくなかで確かな抵抗の一つとして受け取られるだろう。作家達は戦争と言う段階において語る事を迫られていた。また、作品は小林秀雄の言説と比較され、論じられてきた。中野・小林論争における私小説、転向文学に対する両者の姿勢を検討しながら、日本近代文学における転向文学の歴史性の再検討をはかる。


「『航米日録』にみる外国地名表記」
     立命館大学助教 湯浅彩央
 本発表は、万延元年の遣米使節団として十か月にわたる海外での出来事を毎日記した『航米日録』における外国地名表記に関するものである。当時、西洋の文物・思想等を日本語でどのように記述するかという社会的規範はまだ存在せず、特に海外に出て、外国人の発音を聞き取り、どのように書写したのか、また説明をどのようにしているかを探ることで当時の言語観とともに海外に対する視点が明らかになると考える。
 本発表では、上記の目的を果たす手始めとして、外国地名表記に着目し、考察を行う。