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 2013-03- 

第138回研究例会のお知らせ 

4月14日(日)、第138回研究例会を下記の日程にて開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

なお、研究例会に引き続きまして、16時から同会場にて評議員会を行います。ご多忙の折ではございますが、評議員の皆様には、ご参加くださいますようよろしくお願いいたします。

日 時: 4月14日(日) 13:00~16:00
場 所: 立命館大学衣笠キャンパス 清心館3F 533教室
参加費: 無料

***** 題目・要旨*****

「『源氏物語』における死の表現――「消ゆ」及びその派生語――」
   立命館大学大学院博士課程前期課程二回生 中川佳保

 『源氏物語』における死の描写は非常に多く、それが物語を大きく展開させる役割を担っていることは多くの先行研究において論じられているところである。これらの叙述を見てみると、桐壷更衣、夕顔、藤壺の宮、紫の上、大君のような、物語の中で重要とされている女性たちには特別な表現方法が使われていることがわかる。今回は、死の表現について、紫の上と大君に使われている「消え果つ」という言葉に着目して考察していきたいと思う。

「三島由紀夫「雨のなかの噴水」論――〈水〉の持つ意図について――」
   立命館大学大学院博士課程前期課程二回生 沖川麻由子

 三島由紀夫の「雨のなかの噴水」(「新潮」・昭和三八年八月)は、先行する作品論が極めて少ない短編小説である。また、その多くは結末において、雅子が告白する〈涙の理由〉の有無を問うものが主流となっている。しかし、背景として登場する噴水や雨の〈水〉がいかなる意味をもっているかについてはほとんど言及されていない。
 本発表では、「涙」「雨」そして「噴水」の特徴を、明男の心情の変化や彼の「別れよう!」という言葉の性質を中心に分析したうえで考察したい。

「「人知れぬ」恋のゆくえ――夜の寝覚と、源氏物語花散里巻のおもかげ――」
   立命館大学文学部助教 須藤 圭

 夜の寝覚は、男女の悲恋を語る物語であるが、はたして、どのような方法をもってこれを描いたか。巻一、華やかな年賀のある日、男主人公から女主人公に送られた消息に、女主人公でなく、仲介役であった対の君が「人知れぬ」と詠じたところをとりあげれば、女主人公の人に知られざる胸中を代弁するこの叙述は、はからずも恋の様相を喚起し、男と女のかけひきの場面へと変貌する様子が看取される。物語によって恋が偽装されるのである。同様の場面は源氏物語花散里巻にも見られ、これを背景にもつと考えてよい。源氏物語注釈として、夜の寝覚を布置してもみたい。