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 2014-08- 

第142回研究例会のお知らせ 

第142回研究例会を下記の日程にて開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

 日 時:9月14日(日)13:00~
 会 場:立命館大学衣笠キャンパス 清心館533教室
 参加費:無 料

  ***** 題目・要旨 *****

◆『浜松中納言物語』論 ―― 菅原孝標女作者説を視座として ――
  立命館大学大学院博士課程前期課程1回生  高槻 侑吾

 『浜松中納言物語』の作者は、定家本『更級日記』奥書によって菅原孝標女とするのが通説となっている。発表者もこの立場から、卒業論文で『浜松中納言物語』と『更級日記』の「転生」について考察した。本発表ではさらに考察を発展させて、『浜松中納言物語』において「転生」とともに重要である「夢」や、同じく菅原孝標女作とされる『夜の寝覚』にまで視野を広げて考察する。そうすることで、『浜松中納言物語』の「転生」や「夢」が、当時の人々にとってどのような意味を持っていたかが明らかになると考えられる。


◆富岡多惠子「芻狗」論
  立命館大学大学院博士課程前期課程2回生  道下 真貴

 芻狗とは、祭りの時に用いる藁で作った犬であり、用があれば用い、なければ捨てられるものをいう。「芻狗」(「群像」1979年5月)は、中年女性の「私」が、性交によって相手の男性と「肉体の関係」となるかに興味を持ち、年下の男性と一度きりの関係を持つことを繰り返すという作品である。本発表では、それぞれの男性との「関係」を分析することにより、「芻狗」の表すもの、性という「関係」について考察したい。


◆壺井栄における〈働く〉ということ ――「窓口」を中心に ――
  立命館大学非常勤講師  池田 啓悟

 「窓口」は『芸苑』(1948年1月)に掲載、自身の郵便局勤めの経験をもとに書かれている。この体験は様々な作品に繰り返し登場する壺井作品の重要なモチーフである。〈働く〉ということは、ときにはプロレタリア作家としてスタートした壺井が当のプロレタリア文学運動を相対化するまなざしをあたえ、ときには戦争協力のひとつの根拠となった。「窓口」を通じ、壺井作品における〈働く〉ことにまつわる複雑な様相を明らかにしたい。