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 2015-09- 

第145回研究例会のお知らせ 

第145回研究例会を下記の日程にて開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

 日 時:9月13日(日)13:00~
 会 場:研心館 3階 631教室
 参加費:無 料

  ***** 題目・要旨 *****

◆一守銭奴の生きし時代 ―― 樋口一葉「大つごもり」――
  立命館大学大学院博士課程前期課程  小玉健志郎

 「大つごもり」は、町内一の富豪・山村家に奉公するお峰が、貧窮する伯父一家にお金を用立てるため盗みを働くものの、ひょんなことから罪を免れるという作品。
 本発表では、同時代の家族制度や労働意識をふまえ、御新造の貨幣への心情を読み解くことで、明治20年代の社会構造と文化の核心に迫る。


◆夏目漱石「行人」論
  立命館大学大学院博士課程前期課程  桒畑 朱里

 夏目漱石「行人」は、「東京朝日新聞」、「大阪朝日新聞」一九一二(大正元)年十二月六日~一九一三(大正二)年四月七日まで連載され、途中約五ヶ月の中断を経て、同年九月十八日~十一月十五日再連載された小説である。
 本発表では、作品に描かれる社会的文化的背景が、作品内に起こる事象(出来事)とどのように関わり、登場人物(特に直)に反映され描出しているのかを分析、考察したい。


◆能『鉄輪』と貴船神社
  立命館大学非常勤講師  三浦 俊介

 本発表は貴船神社の呪いの釘についての研究である。能『鉄輪』は貴船神社の祭神が夫に嫉妬する女性に対して鬼に変身して復讐せよと託宣するという内容を含む。本文中に「釘」の記述はないが、本質的には釘を打ち込む呪詛法を実践する話であろう。従来「呪い釘」の事例としては鳥山石燕『今昔画図続百鬼』や『多賀大社参詣曼荼羅』が引用されてきたが、ともに江戸時代を遡る資料ではない。本発表では、鎌倉中期の古文書に見える「貴船神社への呪い釘」の記事を紹介し、能『鉄輪』理解の一助としたい。