第147回研究例会のお知らせ 

第147回研究例会を下記の日程にて開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

 日 時:4月10日(日)13:00~
 会 場:清心館 3階 533教室
 参加費:無 料

  ***** 題目・要旨 *****

◆新美南吉・晩年の少年小説
  立命館大学大学院博士課程後期課程  郗 子 

 新美南吉は、大正・昭和年代の代表的な童話作家の一人として知られ、今でもその代表作である「ごん狐」や「おじいさんのランプ」などが小中学生の教科書に掲載されている。また、童謡詩人としても名高く、童謡や詩においても多くの名作を残した。しかし、彼は主戦場であった児童雑誌「赤い鳥」を離れた後、小説創作を試み、後年から晩年にかけて、幾つかの少年小説作品を書いた。この中では、童話や童謡などと違って、従来高く評価されてきた作品は殆どなかったが、この時期の南吉の関心や意識の変化を明らかにするための重要な手がかりになると思う。さらに、これらの作品を通して、童話が黄金時代を迎え、そして少年小説に激しく対抗していた時期からそれ以降、日本の児童文学はどう発展していったのかについて考察したい。


◆「祇園牛頭天王縁起」の世界
  立命館大学大学院博士課程後期課程 鈴木耕太郎

 疫神かつ防疫神として知られる牛頭天王への信仰は、中世から近世期にかけて日本各地に広まったが、その信仰の中心的な拠点の一つに京の祇園社(現・八坂神社)があげられる。この祇園社における牛頭天王への信仰の由来を説くテキストが「祇園牛頭天王縁起」(以下、「祇園縁起」と略)と呼ばれるもので、現在確認できるだけでも漢文体で記されている真名本五種と仮名本三種の計八本の「祇園縁起」がある。
 先行研究でも取り上げられているこれら「祇園縁起」だが、その取り上げられ方は縁起の概略の説明に終始しており、内容については詳しく検討されていない。本発表では、真名本の中で最も整っているといわれる近世初期に写された内閣文庫蔵の林家旧蔵本「祇園牛頭天王御縁起」を用いて。その内容の分析を行うことを主眼に置く。


*例会終了後、15:00~ 評議員会を行います。

「論究日本文學」第103号発刊のお知らせ  

大変ご案内が遅くなりましたが、「論究日本文學」第103号が発刊されました(2015年12月)ので、お知らせします。
今号も大変充実した内容となっておりますので、ぜひご覧ください。

「源氏物語忍草」の一写本について 中西健治
西鶴浮世草子「世界の借家大将」の教材研究
   ――指導書からの深化をめざして――
小原亨
川端康成「十七歳」論
   ――妹の悲しみの内実――
劉文娟
〔書評〕川崎佐知子校訂『御茶湯之記 予楽院近衞家凞の茶会記』 本多潤子
佐藤春夫「田園の憂鬱」論
   ――妻と作家の文学――
新立隼也
→『論究日本文學』Web公開サイト

【案内】国際シンポジウム「トラベルライティングという機構-他者への視線」 

本学において、3月22日・23日に開催されます国際シンポジウム「トラベルライティングという機構-他者への視線」のお知らせです。
ご興味を持たれましたら、ぜひお越しください。
20160322_23_1 20160322_23_2
※詳細なプログラムにつきましては、上掲のフライヤーをご参照ください。



◆国際シンポジウム「トラベルライティングという機構-他者への視線」

【主催】JSPS 科研費・基盤研究(C)「海外紀行文の総合的研究―視覚的想像力の諸相をめぐって」 (研究課題番号:24520410)
立命館大学国際言語文化研究所トラベルライティング研究会

※事前予約不要・入場無料

【日時】2016年3月22日(火)13:00-17:30
    2016年3月23日(水)13:00-17:30
【会場】立命館大学衣笠キャンパス創思館1階カンファレンスルーム
    ※キャンパスマップ30番の建物です。

webサイト上の紹介
(立命館国際言語文化研究所イベントページ)
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/lcs/kenkyu_main.html#travel_writing
※今後、情報が微修正される可能性がありますので、本シンポジウムに関する最新の情報は、必ずこの立命館国際言語文化研究所イベントページでご確認ください。

■基調講演
玉野井麻利子(UCLA)
「兵隊さんのトラベルライティング : 北支占領軍と「子どもの権利」

■発表者
中井祐希(立命館大学)
庄婕淳(立命館大学)
鄧麗霞(立命館大学)
陳捷(国文学資料館)
呉佩珍(台湾政治大学)
劉建輝(国際日本文化研究センター)
西成彦(立命館大学)
中川成美(立命館大学)

■主旨
 旅行記や紀行文というジャンルは、個人的な感想の領域に括り付けられて、長く文学や歴史の二次的なテキストとして位置付けられてきた。しかし、近代以降の出版物のなかでこれほど大量に生産し続けられたジャンルはほかになく、特に海外紀行、海外旅行記はその体験さえあれば、比較的簡単に個人が出版できる機構として、現在までその命を永らえている。本国際シンポジウムは、そうした中から日本人が近代以降に書いたトラベルライティングを中心に、この機構が持つ意味を考えようとするものである。
 明治期以降の膨大なトラベルライティングを見ていくと、書き手は文学者のみならず官吏、学者、実業家、技術者など多岐にわたる職種、性別、目的をもって海外へと旅立ち、その異文化体験を記録した。明治期以降、欧米体験は一種の箔つけでもあったから、中層以上の階級、また教育をうけた人々の記録が多く残存しているのだが、一方に注目しなければならないのは旅芸人、移民、家事労働、売春などの底辺労働を担った人々の記録が残されていることである。そして戦争に徴兵された兵士たちは過酷な戦場で「他者」を発見し、引き揚げや亡命などの経験をも植民地の版図のなかで味わったのだ。彼らのわずかに残された記録もまたトラベルライティングである。
 20世紀が人類史上最大の「移動の時代」と呼ばれるが、帝国主義から植民地主義に至る世界的推移のなかで編まれるこれらの一般市民たちの記録は、さまざまな人間の感情がこめられた文学として再検討していく必要がある。本国際シンポジウムがその発端として機能していくことが叶えばと念じてやまない。 

■問い合わせ
立命館大学国際言語文化研究所
E-mail: genbun@st.ritsumei.ac.jp