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 2017-03- 

第150回研究例会のお知らせ(2017年4月9日(日)13:00~) 

第150回研究例会を下記の日程にて開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

 日 時:4月9日(日)13:00~
 会 場:清心館 3階 533教室
 参加費:無 料

  ***** 題目・要旨 *****

◆河野裕子『森のやうに獣のやうに』論――連作「青林檎」に着目して――
  立命館大学大学院博士課程前期課程  佐藤 好

 『森のやうに獣のやうに』(沖積社 一九七二・五)は、河野裕子の第一歌集である。この歌集に掲載された連作群は「裸足」・「夏」・「黙契」と分けられ、「青林檎」は、「裸足」の最後の連作に位置付けられている。そして、この連作の後に「夏」が始まり、連作「桜花の記憶」が掲載されているのである。この「青林檎」が歌集中においてどのような効果をもたらし、前後の連作に影響を与えているのかを分析、考察を試みたい。


◆「盗まれた手紙の話」論――〈欲望〉の構造をめぐって
  立命館大学大学院博士課程後期課程  陳 暁芝

 「盗まれた手紙の話」は昭和15年6月1日発行の「文化評論」第1巻第1号に発表され、翌年『炉辺夜話集』に収録された坂口安吾の短編作である。
 本発表では、「盗まれた手紙の話」における〈欲望〉の構造に主眼を置き、物語に示される詐欺行為と深川オペラ劇場主人の敗北の内実を明らかにし、作品の成立を探る。その上、本作品ならびに「茶番に寄せて」を取り上げ、作者の創作意図を考察する。


◆林芙美子 『ボルネオダイヤ』論
  立命館大学大学院博士課程後期課程  フィトリアナプスピタデウィ

 林芙美子『ボルネオダイヤ』は1942年から1943年にかけての南方の体験から生まれた作品であり、戦後「改造」1946年6月号に発表された。作品は戦時中、インドネシアのボルネオ島に於ける日本女性の従軍慰安婦についての物語である。
 本発表は、主人公の人物像に注目し、内地と外地との生活を比較することにより、ボルネオ島での体験の意義を考察する。また、加えて、外地へ放浪した女性について作家の意図を明らかにするものである。


◆石川啄木「我等の一団と彼」の頃
  京都市立塔南高等学校常勤講師  深町博史

 石川啄木は一九一〇(明治四三)年の五月末から六月上旬にかけて自身最後の小説となる「我等の一団と彼」を執筆した。「老人と青年の関係」を描いた前作「道」を「全然失敗してゐた」とし、本作の「目的」を「現代の主潮」としている。また、執筆期間中に発生した〈大逆事件〉にも重大な関心を寄せていく。本発表では「我等の一団と彼」を中心に、その「思想」上に大きな変化のあったという同時期の啄木文学についても考察したい。

 *例会終了後、16:30~ 評議員会を行います。