第60回立命館大学日本文学会大会のお知らせ  

下記の通り、第60回立命館大学日本文学会大会を行います。
多数の方々の参加をお待ちしております。



■日時: 2016年6月12日(日) 13時00分~17時20分
■会場: 立命館大学衣笠キャンパス 以学館31教室
               
■内容
◇研究発表(13:00〜15:25)
① 有卦絵の研究
    大山 美月 [本学卒業生]
② 『古事記』における大国主像―儒教思想の影響という視点から―
    吉川 益弘 [本学博士前期課程]
③ 田澤稲舟「医学修行」考―遊芸と美人の関わりについて―
    小玉 健志郎 [本学博士前期課程]
④ 大江健三郎の小説世界・暴力の決算
    アントナン・ベシュレール [ストラスブール大学准教授]

◇講  演 (15:40~16:40)
   『狭衣物語』の冬―「形見」の物語始発の季節―
    野村 倫子 [大阪府春日丘高等学校教諭]

◇ 総  会 (16:50~17:20)
◆ 懇 親 会 (17:30~19:30)
 会場: レストランカルム
 会費: 5,000円(学部生・院生は3,000円)

第147回研究例会のお知らせ 

第147回研究例会を下記の日程にて開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

 日 時:4月10日(日)13:00~
 会 場:清心館 3階 533教室
 参加費:無 料

  ***** 題目・要旨 *****

◆新美南吉・晩年の少年小説
  立命館大学大学院博士課程後期課程  郗 子 

 新美南吉は、大正・昭和年代の代表的な童話作家の一人として知られ、今でもその代表作である「ごん狐」や「おじいさんのランプ」などが小中学生の教科書に掲載されている。また、童謡詩人としても名高く、童謡や詩においても多くの名作を残した。しかし、彼は主戦場であった児童雑誌「赤い鳥」を離れた後、小説創作を試み、後年から晩年にかけて、幾つかの少年小説作品を書いた。この中では、童話や童謡などと違って、従来高く評価されてきた作品は殆どなかったが、この時期の南吉の関心や意識の変化を明らかにするための重要な手がかりになると思う。さらに、これらの作品を通して、童話が黄金時代を迎え、そして少年小説に激しく対抗していた時期からそれ以降、日本の児童文学はどう発展していったのかについて考察したい。


◆「祇園牛頭天王縁起」の世界
  立命館大学大学院博士課程後期課程 鈴木耕太郎

 疫神かつ防疫神として知られる牛頭天王への信仰は、中世から近世期にかけて日本各地に広まったが、その信仰の中心的な拠点の一つに京の祇園社(現・八坂神社)があげられる。この祇園社における牛頭天王への信仰の由来を説くテキストが「祇園牛頭天王縁起」(以下、「祇園縁起」と略)と呼ばれるもので、現在確認できるだけでも漢文体で記されている真名本五種と仮名本三種の計八本の「祇園縁起」がある。
 先行研究でも取り上げられているこれら「祇園縁起」だが、その取り上げられ方は縁起の概略の説明に終始しており、内容については詳しく検討されていない。本発表では、真名本の中で最も整っているといわれる近世初期に写された内閣文庫蔵の林家旧蔵本「祇園牛頭天王御縁起」を用いて。その内容の分析を行うことを主眼に置く。


*例会終了後、15:00~ 評議員会を行います。

第146回研究例会のお知らせ 

第146回研究例会を下記の日程にて開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

 日 時:12月13日(日)13:00~
 会 場:研心館 3階 631教室
 参加費:無 料

  ***** 題目・要旨 *****

◆『万葉集』における「もみち」考
  立命館大学大学院博士課程前期課程1回生  林 ひかり

 日本に現存する最古の歌集である『万葉集』には、巻一・一六に収められている額田王の「春山の花と秋山の彩り」の歌を皮切りに、秋の景物として「もみち」が百首以上の歌に詠み込まれている。
 本発表では、主に歌の表記の面から、『万葉集』において「もみち」がどのように詠まれているのかを考察したい。


◆村上春樹「納屋を焼く」論
  立命館大学大学院博士課程後期課程2回生   李 娟 

 村上春樹「納屋を焼く」は1983年1月の「新潮」に発表された短編小説である。この作品は、「僕」が彼女の失踪した経緯を語る物語である。作中で、彼女には「僕」のほかにもう一人の「恋人」がいた。彼女の「恋人」が「僕」の家の近くにある納屋を焼こうとした話をしたが、実際に焼かれた納屋はどこにもなかった。その代わりに、彼女は原因不明の失踪を遂げる。
 本発表では、1980年代の社会背景に着目しつつ、彼女の失踪と納屋を焼くことの関わりを論じることによって、物語に示される納屋を焼く行為の内実を明らかにし、作品の寓意を読み解くことを目的とする。


◆佐多稲子「髪の嘆き」における植民地的主体の生成について
  立命館大学非常勤講師  鳥木 圭太

 プロレタリア作家であった佐多稲子は、1942年10月から翌年4月にかけて、陸軍報道部の斡旋にもとづくいわゆる「南方徴用作家」としてシンガポール、スマトラを訪問している。本発表ではこの体験をもとに描かれた小説「髪の嘆き」(『文芸読物』1943年8月)を通して、「混血児」の少女が主体形成を成し遂げようとすることの困難さを浮き彫りにし、そこにプロレタリア文学運動崩壊後の困難な時期を生き抜こうとする作家の主体形成の試みを重ねて考察したい。

第145回研究例会のお知らせ 

第145回研究例会を下記の日程にて開催いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

 日 時:9月13日(日)13:00~
 会 場:研心館 3階 631教室
 参加費:無 料

  ***** 題目・要旨 *****

◆一守銭奴の生きし時代 ―― 樋口一葉「大つごもり」――
  立命館大学大学院博士課程前期課程  小玉健志郎

 「大つごもり」は、町内一の富豪・山村家に奉公するお峰が、貧窮する伯父一家にお金を用立てるため盗みを働くものの、ひょんなことから罪を免れるという作品。
 本発表では、同時代の家族制度や労働意識をふまえ、御新造の貨幣への心情を読み解くことで、明治20年代の社会構造と文化の核心に迫る。


◆夏目漱石「行人」論
  立命館大学大学院博士課程前期課程  桒畑 朱里

 夏目漱石「行人」は、「東京朝日新聞」、「大阪朝日新聞」一九一二(大正元)年十二月六日~一九一三(大正二)年四月七日まで連載され、途中約五ヶ月の中断を経て、同年九月十八日~十一月十五日再連載された小説である。
 本発表では、作品に描かれる社会的文化的背景が、作品内に起こる事象(出来事)とどのように関わり、登場人物(特に直)に反映され描出しているのかを分析、考察したい。


◆能『鉄輪』と貴船神社
  立命館大学非常勤講師  三浦 俊介

 本発表は貴船神社の呪いの釘についての研究である。能『鉄輪』は貴船神社の祭神が夫に嫉妬する女性に対して鬼に変身して復讐せよと託宣するという内容を含む。本文中に「釘」の記述はないが、本質的には釘を打ち込む呪詛法を実践する話であろう。従来「呪い釘」の事例としては鳥山石燕『今昔画図続百鬼』や『多賀大社参詣曼荼羅』が引用されてきたが、ともに江戸時代を遡る資料ではない。本発表では、鎌倉中期の古文書に見える「貴船神社への呪い釘」の記事を紹介し、能『鉄輪』理解の一助としたい。

【レポート】第59回立命館大学日本文学会大会 

第59回立命館大学日本文学大会は、予定通り盛会裏に終了しました。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

大会の様子の一部を、写真と共にご紹介します。

10時より、昨年度の卒業生、及び院生・会員による研究発表が行われました。
多くの学部生も参加し、会場内は非常に盛況となりました。
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いずれも非常に興味深い内容で、聴講にきた多くの学部生の指針となるような内容でした。
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研究発表の後は、京都教育大学名誉教授・佛教大学名誉教授であり俳人でもいらっしゃる坪内稔典先生をお招きし、
句作などについてお話いただきました。
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会場内の参加者から俳句を募って句作の楽しさについてお話され、和やかで活気のある講演となりました。


学会終了後は、末川記念会館地下のレストランカルムにて、懇親会が行われました。
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なお、会場にお越しくださった会員の方には『論究日本文学』最新号の102号をお渡ししました。
残念ながらお越しになれなかった方には、後日お送りいたしますので、今しばらくお待ちください。